ありきたりですが「角食パン」です。創業のときから変わらない製法・配合で提供しています。
特徴としては十分発酵とって、高温のオーブンで焼くので、皮は普通の食パンよりも固いし、色が付いているかな。でも中はモチモチ感があって、表面は香ばしい仕上がりになっています。
角食ってパンの中でも一番味にごまかしがきかないパンだと思うので、角食を皆さんに「美味しい」といって食べてもらえるのは本当に嬉しいですね。

パンっていうのは小麦は何グラム、砂糖が何グラムというように、毎日計量して、同じ時間帯でやって、同じ生地温度でやって、というような理科みたいなやり方で作るんですよ。
ただ、毎日おんなじものができるはずなんだけれども、室温や湿度によって微妙に違ってくる。「なんだか味が変わった」という常連のお客様の声にはドキっとします。（笑）
だから、非常に難しいですね、パンというのは。でも、だからこそ逆に面白いというのもあります。

全部自分で決められるということです。値段・配合もそうですし、同じ食パンと一口に言っても、それぞれのお店がまるっきり違った製法、違った材料で作ってると思うんですよね。そういったお店の自由や、よそにないものを作れるっていうのが、一番の魅力です。
また、当店の場合は、製造場と工場が併設した店舗なので「作る人」と「食べる人」とがすぐに会話できるんです。お客様の「美味しかったよ」という声や、時には「こんなパンを食べたい」という生の声を聞くことができるので、パンを作っていてとても楽しいです。

それでは、家庭でうまくパンを作れないという方にワンポイント。
パンを作る時の塩の量って実は重要なんです。家庭でパンを作るレシピなんかを見ていると、「塩はスプーンいっぱいで」とか「塩はひとつまみで」などという表記が多いですよね。でもそパン屋は、塩の量にしても1g2g単位ですごい正確にこまか～く測るんですよ。ですから、レシピは「塩何グラム」といったように細かく書いてあるものをオススメします。